なぜ債務整理が増えているのか?
昨今の深刻な不景気や雇用不安によって、債務整理の件数は急増しているといわれています。
一昔前までは、債務整理の理由といえばギャンブルによる借金のイメージがありましたが、現在では債務整理の理由のトップは「生活苦や低所得」となっています。
また「債務整理」という言葉も世間での認知が高まり、その存在を知って債務整理を選択する人が増えてきたのだと考えられます。
とはいっても知っているようで知らない「債務整理」のアレコレを、ここで紐解いていきましょう。
そもそも債務整理とは
債務整理とは、借金の減額や返済の猶予を延ばすことで、借金による生活への負担や精神的プレッシャーを軽くする手続きのことです。
この借金のなかにはクレジットカードによる借入や、各種ローンが含まれる場合もあります。
また、債務整理は4つの手続きに分類することができます。
①過払い請求
これは文字通り払いすぎてしまったお金(過払い金)を計算して、返還請求をおこなう手続きのことです。
ここで注意したいのが、過払い金請求には期限があることです。
思い当たる節があるなら早めに確認しましょう。
②任意整理
任意整理とは、借金額や金利について減額のための交渉をおこなう手続きです。
任意整理をすることで過払い金があることが判明するケースもあります。
また、交渉は裁判所を通さずにおこないます。
③民事再生
裁判所によって借金の返済が困難だと認めてもらうことで減額され、その後数年かけて分割で返済していく手続きを民事再生(個人再生)といいます。
借金額にもよりますが、最大10分の1まで減額されるケースもあります。
④自己破産
自己破産とは、支払い不可能だと裁判所で認めてもらい、借金の返済を法的に免除してもらう手続きです。
戸籍上に記録が残ることはなく、その後の生活に支障が出にくい方法ですが、住宅や車などは手放すことになります。
債務整理をするには?
ここでは主に「任意整理」「民事再生」「自己破産」の3つの方法について解説します。
①任意整理
基本的に任意整理における交渉は弁護士や司法書士に依頼します。
また、裁判所を通さずに交渉するため、法的効力はありません。
しかしそのぶん交渉内容や処理に柔軟さがあり、裁判所の調査はなく制限も少ないといえます。
②民事再生(個人再生)
手続きが難解なため、ほとんどの場合が弁護士や司法書士に依頼します。
これは、債務整理の他の手続きと比べても複雑だからです。
依頼契約後に債権者に対して受任通知を送るため、それまであった取り立てや督促はなくなります。
③自己破産
個人再生と同様に、弁護士の受任通知によって取り立てから解放されます。
弁護士や司法書士に依頼する際に重要なのは、法律関係のなかでも特に債務整理の実績があり、得意としている事務所を選ぶことです。
債務整理には「過払い請求」と「任意整理」、「個人再生」に加え「過払い請求」という手続きがあります。
それぞれに制限の有無やかかる費用も異なりますが、いずれにしても弁護士や司法書士などの専門家に依頼することになるでしょう。
これは手続きが難解だったり、交渉をする必要があるからですが、弁護士などに依頼することによって、取り立てや督促が止むという側面もあります。
債務整理とは、それまで精神的にも経済的にも圧迫していた借金から、少しは楽になる方法なのです。