債務整理は借金の額を減らしたり帳消しにできたりする便利な制度ですが、そこにはデメリットも存在しています。
債務整理のデメリットを自覚しないまま安易に利用してしまうと、仕事や生活に支障が出てしまうこともあるため注意しましょう。
特に債務整理が持つデメリットの中でも任意整理と個人再生・自己破産の間には大きな隔たりがあります。
任意整理と同じ感覚で個人再生や自己破産を使うことは非常に危険なので、ここにある内容を読んでまずは自分がどの債務整理に合っているのかを正しく判断できるようにしてください。
任意整理が持つデメリットについて
債務整理の中でも任意整理は比較的デメリットの少ない方法となっています。
たとえ任意整理を利用したとしても職種や財産の所持が規制されてしまうことはないため、普通と同じ生活を送りながら借金を返していくことが可能です。
一方で任意生理の重要なデメリットの一つに、信用情報がブラックリストに登録されてしまうという問題があります。
信用情報とは銀行や貸金業者など全ての金融機関に共有されている、お金の貸し借りに関するデータベースです。
何かお金のトラブルを起こすたびに信用情報にはその事実が記載され、その人の信用度が下がっていきます。
任意整理を使われるとお金を貸す側にとっては借金を正しく返してもらえなかった扱いとなるため、信用情報は最悪のブラックリスト入りになってしまうわけです。
こうなると信用情報を共有する全ての金融機関から、一定期間新たに借金をすることができなくなります。
借金には住宅ローンや携帯電話の割賦支払いなども含まれるため、このデメリットを知らないと思わぬ負担になる恐れがあります。
個人再生や自己破産が持つデメリットについて
個人再生や自己破産を使った場合も金融ブラックリストへの登録は避けられません。
しかしそれ以上に個人再生や自己破産には生活そのものを縛るデメリットが数多く存在します。
個人再生では借金の総額を半分以上減らしてもらうことができますが、引き換えに詳細な返済計画を立てて債権者に承認してもらう必要があります。
基本的に借金返済を前提とした生活を送ることになるため、自由がかなり制限されることになるでしょう。
自己破産は承認されると借金の全額が免除されますが、実際に認められるには手持ちの財産の大部分を処分するといった多くのデメリットを受け入れる必要があります。
最低限の生活必需品の他は一部自由財産を除いて全て処分されるので、たとえばマイカーを使った仕事は続けることができなくなります。
自己破産を行う場合は、そのあとの生活をどう成立させるかまでしっかり考えておくようにしましょう。
債務整理のデメリットについてまとめ
債務整理は借金に苦しんでいる人を救うための制度ですが、だからと言って無条件に助けてもらえるわけではありません。
債務整理の恩恵を受けるには一定のデメリットも同時に受け入れることになるため、必ず事前に債務整理によって発生するメリットとデメリットの両方を確認しておくようにしましょう。
弁護士や司法書士に債務整理をお願いする際は単にお金の話を相談するだけでなく、そうしたデメリットをいかに乗り越えるのかについても詳しく聞いておくことをお勧めします。
